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8時に目が覚める。
今日は12時にはチェックアウトをしなければならない。
ホテルで朝食をとり、近くのショッピングセンターのようなところに行き、ぶらぶら見て回る。
食堂で、現地のエジプト人は、みんな水タバコを吸っている。
一度、ホテルに戻る。
やはり、昨日の観光は、相当、体にダメージを与えている。
脚が痛い、とか、腰が痛い、とかの具体的なダメージはないのだが、体全体が、ずしりと思い。
そういえば、昨日、タクシーの運転手が、
『この観光コースは、普通、3日ぐらいかけて、ゆっくり回るコースですよ。こんな急いで回ったら、疲れるでしょう?』
と言っているのを思い出した。
確かに、ギザの3大ピラミッドなどは、これだけで、1日かけてゆっくり見たいほどだ。
でも、こういった感覚は、行く前には分からない。
行って初めて、理解できることである。
出発前に、
“エジプトの観光地は1週間ぐらいかけて、ゆっくり回った方がいいですよ。”
というアドバイスをもらったが、それは、正解だった。
疲れをとるために、部屋で、くつろぐ。
部屋からカイロ市内の景色を眺めるだけでも、けっこう飽きない。
妻は、ホテルの中にある売店で、お土産を買っている。
12時になり、チェックアウト。
荷物を、ホテルに預かってもらって、昨日のベルボーイのタクシーをチャーターしてもらう。
『イスラム旧市街などを含めて、3時間ほどカイロ市内を見て回りたいんだけど、いくらになります?』
『カイロ市内で3時間でしたら、40ポンド(800円強)です。』
今回のタクシーの運転手も、聞き取りづらい英語を話す。
まずは、ムハンマド・アリ モスクに向かう。
カイロ市内をタクシーが走るのだが、昨日以上に、交通マナーの悪さに驚かされる。
ここまでマナーが悪いと、文化の違いだとか言う前に、人間性に問題があるとしか思えない。
ムハンマド・アリ モスクは、ちょっとした高台にあり、カイロ市内を見渡すことが出来る。
現地の小学生が、社会見学に来ているようで、私たちはじろじろ見られる。
ここでもやっぱり、活発なのは、女の子で、私たちにいろいろ話しかけてくる。
『Hello
!』
『What's your name ?』
『Where are you from ?』
という、中学校で習ったばかりであろうと思われる英語で話しかけてくる。
みんな、とびきりの笑顔で話かけてくる。
子どもの笑顔に、宗教や国籍は関係ない。
子どもの笑顔ほど、美しくて素晴らしいものはない。
ムハンマド・アリ モスク自体は、とても1時間やそこらでは、見て回れない。
午後2時を過ぎたあたりで、見学をやめ、タクシーに戻った。
3時にはホテルに戻りたいので、ここでムハンマド・アリ モスクを後にして、カイロタワーへ向かった。
ここはホテルから見える位置にあるのだが、なかなか歩いて行く根性がなく、妻の希望で、ここに行くことにした。
またカイロ市内を車は走る。
交通マナーをしっかりすれば、ここまで渋滞はしないのではないだろうか。
カイロタワーに到着したのが2時20分。
タクシーの運転手が、
『展望台には写真を撮って、高額で売りつける連中がいるから気をつけて下さい。』
と言う。
まあ、そんな連中に引っかかることはないと思うが、昨日の運転手にしても、今日の運転手にしても、そういう注意を与えてくれることがうれしい。
切符を買って、展望台まで上がる。
エレベーターの中には、エレベーターガールならぬ、エレベーターオヤジがいる。
何のために居るのかは不明だが、一応、赤い制服を着ている。
展望台に出ると、エジプト人の若いカップルが大勢来ている。
みんな、肩を寄せ合い、愛を語り合っているのだろう。
ここは、本当に、イスラム教の国なのか?
中には、頬をくっつけて、そのままキスまでしそうなカップルもたくさんいる。
なんとなく、微笑ましい光景である。
そのままカイロタワーを後にして、ホテルへ戻る。
近くの食堂で、最後の食事をとる。
3時50分、ホテルのロビーに行く。
ソファーに座ってガイドを待っていると、向かいのソファーに日本人の親子が座った。
父親・母親・息子・娘、という家族で、父親は英語が堪能で、2人の子供は、今風の子ではなく、なんとなく品がある。
妻が、
『あのお父さん、英語ペラペラだね。仕事何やってるんだろう?』
と聞いてくる。
『あの身だしなみからいって、海外の駐在員じゃねーの。』
と答えて、時計を見ると、午後4時を過ぎている。
日本人の親子は、ガイドが迎えに来て、空港へ行ってしまった。
私たちのガイドは、4時15分になっても来ず、一昨日のムハンマドさんの携帯に電話を入れた。
『もしもし。』
『あ、ムハンマドさんですか?』
『はい、そうですけど、、。』
そのとき、ガイドがやって来た。
『あ、ごめん、もういいや。』
名前も名乗ってないので、ムハンマドさんには、不審な電話だっただろう。
迎えに来たガイドは、とてもエジプト人には見えない、西洋系の顔立ちをしている。
『お約束は、4時30分でしたよね?』
『いえ、4時ですよ。』
『本当ですか? 申し訳ありません。』
ここから車に乗って、空港へ向かう。
午後5時15分、空港に到着。
エミレーツ航空のチェックインカウンターが混んでいて、ガイドが強引にビジネスクラスのカウンターでチェックインをしてしまった。
やっぱり、こういう国では、ガイドというのは、かなり力を持っているようである。
イミグレーションの前で、出国カードをもらい、これも、ガイドが記入してしまった。
ここでガイドとお別れ。
イミグレーションに並んでいると、私の目の前の国籍不明の男が、いきなりイミグレーションの係員とケンカを始めてしまった。
よく見ると、ここエジプトのイミグレーションは、係員がガラスの囲まれた小さな小屋のようなものの中に入っていて、手が一本入る程度の穴があいていて、そこからパスポートや出国カードのやりとりが出来るようになっている。
日本や他の国では、そんなガラスで囲まれているようなことはなく、オープンな雰囲気なのだが、それだけ、イミグレーションでケンカをする奴が多いのだろうか。
イミグレーションを通過して空港内に入ると、さっきホテルで見かけた日本人親子が居た。
どうやら、同じフライトのようだ。
私が、食堂のような場所で、飲み物を飲んで休憩をしている間、妻は、土産物を物色していた。
そのとき、日本人親子のお母さんに話しかけられたようだ。
『さっきホテルで見かけた日本人の奥さんが、話しかけてきたよ。』
『これから、どこに行くか言ってた?』
『南アフリカだって。お父さんが南アフリカに駐在してて、ドバイ経由で、南アフリカに帰るみたい。』
やっぱり、思った通り、駐在員だったか。
それにしても、南アフリカの駐在員って、辛いだろうなと思う。
世界で最も治安の悪い国のひとつ、それが南アフリカ。
定刻19時15分発の、EK926便は、5分遅れで離陸。
バンコク→ドバイ、ドバイ→カイロの機材は、ボーイング777という快適な機材だったが、今回エアバスという機材を使用している。
機内は、清潔感があり、今までの機材と似たようなものだが、明らかに、前の席との間隔が狭くなっている。
ちょっと狭く感じる。
サービスには変化がないが、やはり飛行機の旅に最も必要なことは、機内食の美味しさとか、スチュワーデスの美人度とかよりも、機内での居住性だと思う。
私の個人的な感想では、カイロ→ドバイのエミレーツ航空と、香港→バンコクのキャセイパシフィックは、抜きん出て、座席の間隔が狭く感じる。
5分遅れで離陸したのだが、ドバイ到着は、かなり遅れた。
ドバイ上空で、何度も旋回して、やっと着陸したときには、日付が変わっていた。